はじめに

新型コロナの影響でオンラインイベントが増えていますが、AMTもその流れに乗っかっています。DAWの画面見せるのは元々オンラインにのせやすいし、実際やってみると開催の手間も少なく、色々発見があって面白いものです。
とはいえ、ライブ配信という分野は進歩が急速で、これからはじめる方は何をしたら良いかわからないかも知れません。
そこで、Ableton Meetup Tokyo がどのようにライブ配信システムを構築したのか、書いていきたいと思います。

今では楽器屋がこうした分野に手を出していますが、カメラなど映像に関する分野は相談できる相手も少ないのが実情です。今回は渋谷にあるRock oN Companyに相談して構築しました。ご協力ありがとうございます。実際やってみるとモジュラーシンセ以上に沼ですね…笑

目指すシステム

システムを構築する上で、最終的なゴールを設定することは重要です。このプランニングをしっかり行うことで、不要な機材を買ったり、肝心な機能が足りないという事態を避けることができます。
特に映像機材は高価で、カメラとかレンズとか凝り出すと凄まじいお金がかかります(そういう趣味の人もいるだろうけど)。
そこで、今回は下記のような仕様に基づいてプランニングしました。

  1. PCの画面とカメラ(2台)の映像を切り替えたい
  2. 音響周り:マイクとPC (Ableton LiveとZOOM) の音声をミキシングしたい
  3. 鑑賞に堪えうる程度のまともな映像にしたい
  4. (コロナが落ち着いたら)外の現場でも配信できるようにしたいので、機材を減らして運搬の手間を省きたい

プランニングしたシステムを図にまとめるとこんな感じ。Ableton Meetup Tokyoのイベントは機材が多く、登壇者も入れ替わるので、毎回こんな感じにKeynoteでシステム図を作っています。
以前は作っていなかったのですが、現場であれが足りない!みたいなことが頻発して、作るようになりました。

こういう図を元に機材を揃えていきます。手書きでも良いので、図に起こすと頭の中も整理されてオススメです。

色々やろうとすると難易度は上がる

配信中の機材トラブルは、見ている人が興ざめしてしまうので、極力避けなければいけません。機材トラブルで焦っている自分を配信したくはないですよね。
また、個人的には映像のトラブルは復旧に時間がかかるイメージがあり、必ずしも復旧できるとは限りません。
ライブ配信のシステムを組む時は、機材の点数を減らしてなるべくシンプルにすませた方がベターです。

そのため、システムを組む難易度としては、スマホを中心としたシステムが一番簡単です。ただ、できる事は限られているし、Ableton Liveの画面も出せないので、残念ながらAMTでは選択肢から外れました。

そこでコンピューターを加えるわけですが、色々出来る分セットアップが煩雑になります。コンピューター画面の画質は気にしなくていいのは楽です。
また、自分1人で配信するだけだったら、ウェブカメラとか駆使すればPC1台でもそこそこできます。
しかし、AMTの場合はゲストも呼んだり、機材を操作した手元を映したりするので、カメラとコンピューターの映像を切り替えたりします。そのため、映像を切り替える機材=ビデオスイッチャーが必要になります。これが予算も敷居も高くなるポイントなのです。。。

ここにZoomが加わって、リモートの出演者が出した音を配信するとなると、ネットワークやオーディオ周りに対するスキルが必要になり、セッティングは鬼のように難解になります。

2020.5.30 Ableton Meetup Tokyo Vol.30 ウェビナー

上の図はウェビナー形式で行ったAbleton Meetup Tokyo Vol.30のもの。システム図を作った本人でも見ているだけでクラクラしますが、そんなシステムは大体本番でトラブルを起こします(実際起こしました)。

ライブ配信をやってみたい!という方は、自分がやりたいことを実現するために、どんな規模のシステムを組めば良いのか、よく検討しましょう。
映像機材は高価なので、あらかじめしっかりプランニングをした方が無駄な買い物をしなくて済むと思います。

この稿はイントロダクションなのでここまで。次稿ではビデオスイッチャーとカメラについての話を書いていきたいと思います。

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